日本の国際的な選手・長谷川唯がreal-sportsとのインタビューで、自身のサッカーキャリアについて語った。

固定ルーティンよりも適応能力が重要
「固定ルーティン」についてよく聞かれるのですが、実際にはほとんど決まった習慣がありません。最近では、意識的に固定ルーティンを設定しないようにしています。
日本でプレーしていた頃は、食事を含め、試合前の準備に使える時間がおおむね決まっていたため、準備がしやすかったです。しかし、海外では、スタジアムに入ってからキックオフまでの時間が非常に短かったり、使えるスペースが狭かったりして、計画通りに準備できないことがよくあります。そのような状況で、「いつも通り準備できない」と不安を感じたくありません。もし固定ルーティンそのものが目的になってしまうと、それを守れなかったときに精神状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
私にとって重要なのは、毎回同じ状態を維持することではなく、どんな状況下でも冷静に準備できることです。常に変化する環境の中で、何が起こっても自分のコンディションを調整できる能力は、サッカーを長く続ける上でより重要です。ちなみに、イングランドでは多くの人が「悪天候だと気分が落ち込む」と言いますが、私は全く気になりません。
「日テレ・東京ヴェルディベレーザでプレーしたい」─魅惑的な目標との出会い
一方で、幼い頃から明確な目的意識を持っていました。小学校4年生くらいまでは、地元の埼玉県戸田市にある戸田南FCスポーツ少年団と、女子チームである戸田南ボンバーズFCの2つのクラブで同時に練習していました。
金曜日は女子チームの夜間練習、土日は男子クラブの試合でした。木曜日だけは、ボールコントロールと1対1のスキルを鍛えることで知られるサッカースクール「コーバーコーチング」に通っていました。サッカーに夢中になっていたその時期、女子チームの活動の一環として、日テレ・東京ヴェルディベレーザと浦和レッズレディース(現在の三菱重工浦和レッズレディース)の試合を観戦する機会がありました。
それ以前は、地元の浦和レッズレディースしか知りませんでしたが、日テレ・東京ヴェルディベレーザの試合を観て、「なんて上手にプレーするんだろう」と単純に思う瞬間がたくさんありました。その試合を観てから、日テレ・東京ヴェルディベレーザに入りたいという気持ちが強くなり、当時のチームコーチからは「唯のプレースタイルなら、日テレ・東京ヴェルディベレーザが絶対に一番合っている」と強く勧められました。信頼できる人から肯定されたことで、日テレ・東京ヴェルディベレーザは「目標の場所」となりました。
小学校6年生の夏、日テレ・東京ヴェルディベレーザのアカデミーチーム「メニーナ」のセレクションに参加しました。それまでの1年間は、ほぼ毎日練習していました。最初はセレクションに合格するために練習を始めましたが、徐々に練習自体が楽しくなり、時間を忘れるほど夢中になりました。
チームのコーチを辞めてからも、当時の女子チームのコーチは平日の夜に練習に付き添ってくれました。通常は午後7時から10時、時には午後11時まででした。コーチはスーツ姿で仕事から直行してくることもあり、今大人になって考えると、ほぼ毎日私のために時間を作ってくれた彼のすごさを実感します。また、学生生活と両立しながらそのような練習を続けるのは簡単ではないと感じましたが、このコーチのおかげで、その後のサッカーキャリアで多くの出会いに恵まれました。
「努力」は楽しいからこそ続けられる
良いサッカーをするためには「努力を習慣にすること」が必要だとよく言われます。しかし、私にとって、強くなるために行ってきたことの積み重ねは「努力」とは考えていません。すべての出発点は「サッカーが楽しい」という気持ちです。「サッカーが嫌だから辞めたい」と思ったことは一度もありません。楽しいからこそ、今日まで続けてこられたのです。
「もっとサッカーを理解したい」「もっとスキルを学びたい」という思いは常にあり、だからこそ、他人が「努力」と呼ぶことも私にとっては自然なことなのです。
もちろん、理想の状態に近づくには努力が必要です。ただ「そうありたい」と願うだけでは目標は達成できません。そして、それを維持するためには、「そうありたい」という願望がどれだけ強く具体的であるかが鍵となります。
努力が続けられないとき、それは努力の仕方がわからないのではなく、心の中でなりたい目標が明確でないからかもしれません。私が小学生の時に日テレ・東京ヴェルディベレーザを「目標の場所」と定めたように、自分が何をしたいのか、どんな人になりたいのかをできるだけ具体的にイメージすることがまず非常に重要です。
世界を広げ、新たな目標と出会う
この「本当に好きなこと」や「夢中になれること」がすぐに見つからない人もいるでしょう。実際、私はサッカー以外に、真に情熱を傾けられるものを見つけていません。引退後に何をしたいかについては、まだ明確な答えがありません。新しい目標を見つけたとしても、サッカーと同じくらいの情熱を傾けられるかはわかりません。それでも、何もしなければ何も発見できないと感じています。様々な仕事や経験を通して、夢中になれることを見つけたい、その第一歩として、自分の世界を広げたいと思っています。
最初から「何をしたいか」を知っている必要も、「この歳になったら将来の夢を持たなければならない」と感じる必要もありません。年齢に関係なく重要なのは、様々なことに関わりながら、本当に「やりたいこと」を探し続けることです。目標を見つければ、努力の意味が明確になり、それが継続するモチベーションになります。
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